赤門アカデミーは通常の予備校や塾が行なっている大教室での授業は一切行いません。
Lineなどの動画通話を用いたオンライン個別指導を行なっています。
しかし、授業ではなく動画通話でどのように指導していくのかと疑問に持っている方が多いです。
そこで、ここでは高3の東大志望者Bくんの英語と数学の東大対策指導例をご紹介します。
また、高校2年生の指導例は以下のページに載っていますので合わせて御覧ください。
東大志望の高校3年生Bくんの場合
東大志望者の高校3年生のBくんは高校2年生の5月頃から赤門アカデミーに入塾してもらいました。
その時は、高校はかなり偏差値が高い進学校ではあるものの、その中で落ちこぼれてしまっていました。
学校の課題をこなすのが精一杯で自分に適した勉強ができずどんどん落ちこぼれていってしまっているところでした。
しかし、赤門アカデミーで自分に適した勉強をコツコツこの1年間こなしていき、やっと本格的に東大対策ができるようになりました。
この子は理系なので、通常月4回の英数の指導と月2回の理科の指導の計6回の指導を受けています。
今回は、その中の英数指導をご紹介させていただきます。
現在は夏の模試に向けて東大入試の基礎的な部分を養ってもらっています。
早速各科目詳しく指導例をご紹介します。
英語の指導例
東大英語の対策で一番最初に行うことは、論理的に文章を読解するということです。
東大英語は他の大学の英語と比べると単語が難しかったり、専門性の高い内容の文章が出題されるわけではありません。
ただ、論理的構造が複雑な抽象度の高い文章が出題されます。
なので、今までしっかり英語を勉強してきて、早慶の文章でも難なく読解できる学生でも、東大英語の文章になると全く読めなくなるということは珍しくありません。
なので、今までとは別の訓練で「論理的読解力」を養っていかなければなりません。
東大英語の文章を論理的にどう読むかということを一番体系的に解説している参考書が宮崎尊先生の「東大英語総講義」という参考書です。
この「東大英語総講義」と過去問の1Aや1Bといった論理的読解力が直接問われる問題を使って指導していきます。
今回は英語の小テストとして、指導の1時間ほど前に東大英語の2010年の1Aを解いてきてもらいました。
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]Bくんこんにちは。英語の要約は解けた?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]解けました![/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]ありがとう。じゃー写メって送ってもらえる。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解です。[/char]
Bくんの解答
SFは人間の想像力を拡大するという重要な役割を果たしているが、ブラックホールのように科学からSFに影響を与えることもあり相互作用している。なのでSF的な研究でも明日の事実になりうるので研究に値する。
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]ありがとう。なるほどね。じゃーまず順番に解説していこうか。まず、東大英語総講義の3章は読んできた?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい。ザクッとですけど一通りは読んできました。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そこには、人が文章を書くときに使う論理の型というものが説明されてたと思うんだけど覚えてる?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]これは、その5つある論理の方のうち、主にidea & example、つまり例示が多様されているんだよ。だから問題文に挙げられた例にも触れながらと書かれているんだよね。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]なるほど。ただ、文字数制限などもあって全部入れるのはなかなか難しかったです。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]だよね。ただできるだけ多くのことをコンパクトにまとめた要約のほうがもちろん評価されやすいから、どの部分にどれだけ文字数を使うかといった優先順位も必要なってくるね。この文章全体の論理関係を図示するとこんな感じになるんだけどちょっとみてもらえる?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい![/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]まずこの文章の第一段落では、「SFが人間の想像力を拡大する」ということがかかれているよね。第二段落では「SFは科学と相互作用している」という内容が書かれていて、「科学のほうからSFへ」の例としてブラックホールがあげられている。第三段落は話が変わって、光速移動と時間旅行について取り上げている。これはSFでいままで取り上げられてきたものの例なんだけど、第四段落で、SF的すぎて研究されてこなかったものの例であることが判明するのね。でも第四段落の最後に結論として、それでも研究するに値するということが理由とともにかかれている。とするとこの文章の中から筆者が一番伝えたいメッセージは何かわかる?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]「SFと科学は相互作用している」と「SF的なものでも研究に値する」ですか?[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。ちょうど1、2段落と3、4段落で話の内容が変わっていて、それぞれに主張があってそれがその二つだね。これがまず要約の骨組みになるんだ。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]なるほど。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そしてこの問題は例も触れながらと書かれているから、「SFと科学は相互作用している」という主張の科学からSFへの例としてブラックホールを紹介して、「SF的でも研究に値する」ものとして光速移動と時間旅行を紹介すれば大丈夫だよ。君の要約は、少し最初の主張で文字数を取り過ぎてしまっているね。だから足りなくなってしまったんだよ。「SFは人間の想像力を拡大する」というのはSFから科学へで、つまり相互作用しているといってしまえばその内容もカバーできるので文字数は削ったほうがいいね。前半はこんなかんじかな?[/char]
SFは人間の想像力を拡大し、科学と相互作用している。例えばブラックホールのように科学はSFに概念を提供する。
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]わかりました。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]後半の主張は、「SF的すぎる研究はあまり研究されてこなかったが、研究に値する。」だよね。この理由として、「将来科学的事実になりうるから」というのが書かれているよね。また、これの例として、光速移動と時間旅行を紹介したほうがいいね。合わせてこんな感じになります。[/char]
SFは人間の想像力を拡大し、科学と相互作用している。例えばブラックホールのように科学はSFに概念を提供する。また、光速移動や時間旅行などはSF的すぎるが、将来科学的事実になりうるので研究に値する。(99文字)
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]なるほど…こっちのほうがよりいろんな要素が綺麗にまとまっていますね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね、どこにどれだけ文字数を使うかもしっかり考えないといけない。あともう二つ君の答案には問題点があるのだけど、1番目の主張と2番目の主張の間に「なので」という因果関係が入っているけどこれは、文章中に存在しない因果関係だよね。要約は必要な要素を正しい論理関係でまとめることだからこれをやると減点されてしまうよ。もう一個は細かいけど、「明日の事実」というのは不自然な日本語だね。”today’s science fiction is often tomorrow’s science fact”という部分のtomorrowは将来と訳したほうが自然だよね。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]なるほど、日本語にもしっかり気を配るようにしてみます。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]まーただ、自然な日本語でかけるようになるのは、まず正しく文章の論理関係を掴んで必要な要素を適切な文字数でまとめられるようになってからでいいよ。筆者の主張を掴むのはそこまで苦労していないとおもうから、まずはそこができるようになることを優先させよう。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解です。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]とりあえず、来週までに総講義の3章の前半の問題を解いてきてもらえる。解くときに、さっき僕が書いたような論理関係を図示したダイアグラムも必ず書くようにして。これを何題か書く訓練していけば、初めて見る問題でもより論理関係が明白にわかるようになるから。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解しました。やっておきます。[/char]
数学の指導例
数学の指導の場合、Bくんは数学の力がかなりついている人だったので、他の生徒と比べて一足早く過去問演習をやってもらっています。
過去問演習の第一ステップとしては、1993年度から2007年度までの問題を年度ごとに順番に解いていくことです。
基本的に東大数学は昔の方が難しいです。
なので、難しい問題に慣れておいて最近の簡単な問題が簡単に見えるようにすると言う対策法です。
また、年度別に解くことには理由があります。
通常理系の数学ですと、問題が6問あります。
しかしその6問の難易度は差があり、本当に難しいものもあれば簡単なものもあります。
6問を同時に眺めておくことでどの問題が簡単かという区別がすぐつけられるようになり、本番に落としてはいけない問題をしっかり見分けられるようになるのです。
宿題として、毎週1年分を試験時間の150分を測ってまず解いてもらいます。
この150分間に簡単で絶対落とせない問題が解けるか確認していきます。
次に、残りの問題を時間無制限で考えて解く訓練をさせます。
難しくひらめきが必要な問題はすぐ答えをみずじっくり考えさせることが重要です。
これで、簡単な問題だけでなく、難しい問題にも本番食らいついていけるようにするのです。
指導までに、自分で解いた問題の採点など、自分でできることは済ませてから指導を受けるようにしてもらっています。
我々が解説するのは、6問セットで見た時に、どの問題を優先的に解くか、問題を見た瞬間にどのような思考回路で答えにたどり着けば良いかなど、解説に書かれていないことを指導していきます。
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]よし、じゃー次は数学の指導にいこう。今週は2007年を解いてきてもらったけど、まず120分間で解けた問題を教えて。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]第二問、第三問、第五問の(1)です。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]なるほど、三問は解きたかったな。解答を見せてもらえる?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい。あとで第一問の答え見たんですけど、数学的帰納法でいけるやんってなりましたね…[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうね。第三問で時間取られちゃったのかな?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい、そうですね。簡単な存在条件を求める問題かと思いきや、結構式がややこしくて何回も計算ミスしてしまって。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]たしかに第三問はいままで散々やってきて東大数学でも頻出の存在条件の問題なんだけど、計算が難しいんだよね。こういうのは時間がかかりそうだと思った時に他に解ける問題はないか探した方がいいね。例えば第一問なんて証明問題なんだから、論理的に正しく証明されていれば、計算ミスで引かれるリスクもなくなるから。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]計算し続けてしまったのが迂闊でしたね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]時間があればもちろん取り組んでも良いと思うんだけど、先に他の問題は確保しておきたかったかな。特に全ての自然数に対して証明する場合はほぼ9割方帰納法で考えるよね。僕らの年にも実際帰納法を使う問題は出たし、超頻出だから任意の自然数に対して証明するときは絶対に帰納法で証明できないか検討すべきだよ。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]そうでしたね。帰納法で証明することさえわかってしまえばあとは簡単ですけから。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。あと、解けて欲しい問題としては、第五問の(1), (2)と第六問の(1)までだね。この年度は枝問が多くて最後が結構むずいパターンが多いからせめて枝問の上の方を取って欲しかった。第四問は行列だからできないけど、これも実は結構簡単なので本来であればこれもとって80点くらいは簡単に稼げるはず。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]そうですね。第六問の(1)も1/xを台形ではさんで評価するという問題ですもんね。Focusにも乗ってる頻出の問題なので解きたかったです。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]まーまだ過去問演習始めたばかりだから難しいとは思うけど150分と言う限られた時間の中でどの問題にどれくらい時間を割いたほうが点数が一番最大化されるかは常に意識して今後も解いていこうね。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]はい。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]第一問は、帰納法を使えば簡単に解けた問題、第二問は普通に図形を図示して計算すれば答えが出てくる問題、第三問は頻出の存在条件問題だけど同値変形と計算、図示がかなり複雑で手間取ってしまうから後に回したい問題。ここで、第五問と第六問について少しだけ言及しておくことがあるんだけど。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]どうしたんですか?[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]まず第六問からなんだけど(2)の解答どうしてそう言う解法を思いついたのかって解答を読んで理解できた?[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]あーわかんなかったです。最初 a = 6, x = 2にして評価するやつか、簡単だなと思ったんですけど、それだとはさみきれず… 解答の通り設定したらそうなるのはわかるんですけど、どう言う発想でそれがでてくるのかどうかわからなくて[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]これは、評価する部分を範囲の中で2分割して細かく分けたんだよ。これを無限回細かく分ければいずれは、グラフの積分に近づくわけだから、最初シンプルに4~8の範囲で評価してみて、ゆるすぎたから4~6と6~8で評価したのちに足せばさらに厳しい評価ができるんだよ。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]あーなるほど。さすが東大だけあって普通に利用するだけじゃでてきませんね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。ただ普通に4~8で評価してみてゆるすぎたら、そこで諦めるんじゃなくてどんどん分割していけばより評価が厳しくなるからって思って分割してみようっていう考え方があるのは覚えておいて。こういうグラフで評価する問題はまだ二問くらいしか見たことないけど、実際πとかを評価させたりとかいろんな評価の問題が過去に出題されているから同じ形の問題がでてもおかしくないので[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解です。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]後第五問なんだけど、(3)は解けたら良いけど基本的に確率と整数はできるだけ避けた方がいいよね。確率と整数は問題のパターンがものすごく多くてひらめきも必要になってくるからちょっと考えて思いつかなかったら逃げるように。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]そうですね。この問題のセットだったら他を優先させた方がいいですもんね。二つともmになる確率が重複するというのに気づけないとこれは正しい答えを出すのが難しいですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]今回の確率はやさしめではあるけど、他の問題も見たらそっちを解いた方が懸命だと思う。[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解です。あと、多分これ1週間で2年分解けますね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]あ、そう?じゃー来週は2006と2005をやってきてくれる?2005は結構難しいから頑張ってね、まー1990とか昔のやつはもっとやばいけどw[/char]
[char no=”3″ char=”高校生Bくん”]了解です。[/char]
まとめ
以上が、東大志望の高校3年生に行う英語と数学の指導例です。
このように、赤門アカデミーの東大対策は、東大の入試問題にどのような思考回路で問題を解いていけば良いかを指導の中で確認しつつ、日頃の勉強にも活かしてもらうという指導方法になります。
特に、問題全体を制限時間内にどのような戦略で解いていけば一番高得点がでるかという指導をしているところは意外と少なく、これは最難関の東大入試をクリアーした東大生にしかできないことです。
実際に、我々の指導を1ヶ月受けるだけで、点数が飛躍的に伸びた子もいたりします。
これはもちろんセンター試験対策でも有効ですので、しっかり指導します。
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