赤門アカデミーでは予備校などが行なっているような大教室での授業というものは行いません。
ネットでどうやって授業を行わずに指導ができるのか、イメージがつかめない人が多いようでご質問も多く頂きます。
そこで今回は、音声による指導例ご紹介したいと思います。
高校２年生Aくんの場合の指導例
通常、高校１・２年生は著しく他の教科が苦手な場合や、入試において他科目の配点が大きいなどの場合をのぞいて英語と数学を中心に指導していき、定期テストなど必要に応じて理科や社会の勉強を見ていきます。
なぜなら、英語と数学は大学受験で最も時間がかかる教科で、高校３年生の始めまでにある程度仕上げないと、難関校の合格確率が低くなるからです。早く仕上げればそれだけ、英数以外の他教科の勉強ができるので、受験で有利になります。
赤門アカデミーの塾生さんは半数以上が東大志望ですが、東大向け指導の様子は別記事にて紹介する予定ですので、ここでは宮城県の公立高校２年生の東北大学志望のAくんの指導例を見ていきましょう。
Aくんは、進研模試偏差値５５くらいの学力があり、入塾して３ヶ月目になります。
まず一番最初に英単語と数学の小テストを行います。
英語単語の指導例
英単語の小テストですが、赤門アカデミーは基本的にシステム英単語という単語帳を使います。
Aくんは長文を読むことはそこまで苦手ではないのですが、英単語を入塾前には全くやっておらず、細かい単語の意味がわからなかったり、勘違いをしてしまい、そこでテストの点数を落としていました。
このように、英単語は必ずやらないといくら長文の勉強をしても英語の学力は伸びません。
現在Aくんはシステム英単語を１２００語（センターレベル）まで１周しており、今は２周目に突入しています。
ここまでくると６００語を１週間で１周できるようなペースで単語をやって行くことができます。
今回は１〜６００語の２周目ということで、当塾の講師がC言語で作成したオリジナル学習ソフトで１〜６００語の中から５０語ランダムに抜き出して小テストしました。
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]先生こんにちは。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]こんにちは、指導を始めようか。早速だけど今日の単語テストです。Lineに単語を送るね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]（Lineにて単語を送信）desert, environment, standard, reasonable, entire, perform, frighten, goods, apparently, occur, quarter, weapon, hardly, empty, interaction, invent, moreover, trend, duty, insect, theory, recognize, edge, emotion, expose, seat, carbon, skill, institution, instance, compete, preserve, mention, examine, criticize, replace, expensive, adjust, overcome, native, argue, focus, raise, urban, huge, concept, trade, relate, freeze, crisis
[br num=”1″]
順番に意味を口頭でお願い！
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]（回答中）・・・・・[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]おっけー48/50だね。２周目にしてはいい感じだね。間違えた二つなんだけど、dutyとcompeteだね。[br num=”1″]dutyは汚いって答えたけどこれはdirtyの間違えでdutyは義務って意味の別の単語なんだよ。
[br num=”1″]competeも完全なって答えたけどこれはcompleteの間違えだね。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あ、そうか競争するですよね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうそう。もう２周目でほぼ完璧になってきてるけど、1~600は絶対に完璧にしたい単語たちばかりだから、満点とりたいよね。
[br num=”1″]こういう時は、1~600ばっかり何周もしてても効果がないから、間違えやすそうな単語、他と混同しやすいような単語を抜き出して、別で覚えておくといいよ！
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]なるほど。確かにそうですね。了解です。やってみますね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]来週はこれに加えて601~1200語も出すから、テストは別々で出すけど両方とも怪しいものは個別に抽出して、ノートとかフラッシュカードにまとめておいて。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]わかりました！[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]次は数学にいこうか。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]はい。[/char]
数学の指導例
前回の指導では、数学Aの整数の部分の黄色チャートの例題を全て網羅させました。
そこで今回はエクササイズを使って先週網羅した例題の解法をエクササイズの問題でどう応用するか勉強してきてもらいました。
通常数学のテストは指導の一時間ほど前に二問ほど範囲の問題や範囲の問題の類題から出題されます。
出題した問題とA君の解答はこんな感じになりました。
nは100以下の正の整数で, nを7で割ると2余り, n^2を11で割ると4余る。
このようなnの値を求めよ。
a, bを自然数とする。abが3の倍数であるとき, aまたはbは3の倍数であることを証明せよ。
次の等式を満たす整数x, yの組を1つ求めよ。
(1) 9x + 23y = 3
(2) 13x – 24y = 5
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]出題した3問ともだいたい問題ないんだけど、２問目の問題は記述の仕方に問題があるかな。
[br num=”1″]君の答案の証明には「aとbがともに3の倍数でないのであればabは3の倍数ではないとすると a = 3k + 1, 3k+2 b = 3l + 1, 3l+2（k, l は整数）」って書いてあるけど、この出だしが間違いなんだよね。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]え、これダメなんですか？[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]多分君は「a, bを自然数とする。abが3の倍数であるとき, aまたはbは3の倍数である」という条件の対偶の「aとbがともに3の倍数でないのであればabは3の倍数ではない」を証明しようとしたんだよね？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]はい。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]でもこれだとその対偶を証明されていないにも関わらず仮定してしまっているんだよ。[br num=”1″]
だから正しくは「条件の対偶は真偽が一致するので代わりに対偶である『aとbがともに3の倍数でないのであればabは3の倍数ではない』を証明する。」っていう書き方にしないといけない。意味わかるかな？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あーなるほど！確かに僕の答案の出だしだと書き方が変ですよね。これから証明するものを仮定してしまっているので。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうそう。基本的にこういう仮定するような書き方は背理法でしか基本的には使わないと思う。多分それとごっちゃになっちゃったんじゃない？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あー背理法ありましたね。それと混ざっちゃったのかもしれないです。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]合わせて復習しておいて。
[br num=”1″]あとこういう問題はa = 3k ± 1, b = 3l ± 1って置いちゃうことが多いかな。これだと対照的だから計算が楽なんだよ。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]-1ってどういうことですか？[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]あー、えっとね、-1っていうのが３で割った時あまりが２なのと余りが-1なのって同じことじゃない？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あー確かに。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]同じなら-1にした方が+1のときと-が違うだけだから計算がしやすいんだよ。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]なるほどそれは賢いやり方ですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]余りで場合わけする場合は、対照になるよう負の数も使って余りを設定したほうが計算が楽だよ。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]了解です。覚えておきます。あと先生、合同式でちょっと質問があるんですけど？[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]なんかLineで昨日言ってたね。どうしたの？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]合同式の計算とかどういうものなのかっていうのは理解したんですけど、使う時がわからないというか。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]OK！
[br num=”1″]えっとね、さっき言った問題みたいに余りに関する問題で使うんだよ。kとlっていうのはぶっちゃけなんでもいいから表記することが面倒なのね。
[br num=”1″]合同式を使うとこんな感じで省けちゃう。例えば、さっきの３の倍数の問題を合同式を使って解くとこんな感じになる。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あー確かにこっちの方が記述量が少なくて計算も簡単ですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]あと先週やった問題だとこんなのも使えるよ。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あ、すごい便利ですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]一応modが同じであればどんな数が与えられても計算して行くだけでこういう系の証明はできてしまうからすごい便利なの。
[br num=”1″]だから嫌がらずに復習してほしかったのね。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]おお。確かにそうですね。ありがとうございます。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]来週は図形に移っちゃうけど合同式の問題もちょい出すね。よく復習しておいて。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]了解です。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]じゃー、英文法やろうか。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]了解です。[/char]
英文法の指導例
英文法はAくんは基礎的な事項については学習済みなので、英文法語法ベスト４００というセンターレベルの英文法の問題が収録された網羅型の問題集を使っていきます。
これはよく口頭で問題を確認していくことが多いです。
また、同じ分野の文法問題を解かせるということも１周し終わると実施します。
Aくんはまだ１周目なので単なる抜き打ちの確認を行いました。
確認は単に解答をいうだけでなく、どうしてその答えになるのかまでしっかり答えてもらいます。
この様な網羅系の文法問題は番号で覚えがちなので、なぜその答えになるのか分かっていないと応用が効かないのです。
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]じゃーまず２章から行こう。では、39番[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]
I looked for something ( ).
- to sit on
- to sit
- sitting
- to sit down
答えはどれになる？
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]①ですかね？[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]正解。理由も聞いておこうか。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]somethingを修飾してる不定詞だと考えるとsit on somethingしか通らないからですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。2、4だとsomethingに繋がらないし、3のsittingだとsomething自体が座ってることになるからおかしな文になっちゃうからね。
[br num=”1″]いいじゃん！それじゃー次は99番。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]
Cold chiken is delicious ( ) salad.
- when eaten with
- when eating with
- with when eaten
- with when eating
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]③ですかね。。。ちょっとこれ怪しいです。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]んー違うね。そもそもwithは前置詞だから前置詞の後ろは名詞とか名詞節しかこないよ。だから③と④は文法的におかしな文になっちゃうね。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]あーそうか。。。じゃー①ですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。chikenは食べられる対象だからeatenを選べたのは良いと思う。
[br num=”1″]①だとeaten with saladってなって「サラダと一緒に食べられると」っていう意味になるからすんなり通るよね。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]なるほど。確かにそうですね。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]ちょっと２章の後ろの方がまだ定着していないよね。
[br num=”1″]次３章行きたいんだけど、その前に70番以降をもう一度しっかり復習しておいて！
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]了解です。[/char]
英語長文の指導例
次に長文の指導に移ります。
まず長文は基本的にハイパートレーニングという問題集を使います。
A君はセンター７割レベルでしたが、レベル２を解かせたところ結構ボロボロだったので、少し簡単かもしれませんがレベル１からスタートしました。
宿題はUnit 10~12で今日は11を抜き打ちで確認していきます。
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]とりあえずまず、読んでみて[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]わかりました。・・・（音読中）[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]ありがとう。ちょっとまだぎこちないよね。毎日読んでる？[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]んー毎日は読めてなかったです。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだよね。基本的に声に出して読めるスピードより少し早いくらいのスピードでしか読めないから。
[br num=”1″]しかもこれ一回読んだことある文章だから、初めての文章だと実際もっと遅くなっちゃうよ。
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]わかりました。とりあえず毎日読めるよう時間を作ってみます。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]そうだね。慣れてくればおそらく1 unit 5分もかからないから全部毎日音読できるはずだよ。
[br num=”1″]その時にしっかりと文法的な構造と意味はしっかり思い浮かべるように読んでね。
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]それはやってますから大丈夫です！[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]おっけー。じゃーここの文ちょっと訳してみて。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]・・・（和訳中）[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]OK！確かに文法的構造とかはしっかり把握しているね。なら音読の頻度をもう少し増やすようにしようか。[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]わかりました。[/char]
まとめと、次回までの課題出題例
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]それでは来週の音声指導までの課題だけど、まずは単語は1~600までを完璧にしてそれに加えて601~1200の２周目をスタートさせること、数学は整数はそろそろ大丈夫そうだから次は図形の性質の例題を全て網羅してきて。
[br num=”1″]あと合同式の問題も復習で出そうと思う。
[br num=”1″]英文法はベスト400の３章までと２章の後ろの方の復習をもう一度しっかりやっておくこと、長文はUnit 4~6を新たに追加して毎日できるだけ音読に取り組むこと。大丈夫？
[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]わかりました。大丈夫です。[/char]
[char no=”1″ char=”東大生講師 T”]よし！ ではいつも通り、定期的にLineで課題の進捗状況を教えてね。わからない所があったら質問も随時するように[/char]
[char no=”2″ char=”高校生Aくん”]はい、ありがとうございました！[/char]
以上が、高校１・２年生の指導の具体例をご紹介しました。
この子の場合は他の科目については、英数がもう少し安定してから取り組んでいく予定なので、定期テストなどがなければ基本的に今は英数に絞ってやっています。
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